2017年01月27日(金)

第15回: 軽めの糖質制限で、若々さを取り戻す

第15回

軽めの糖質制限で、若々さを取り戻す

 「肉、脂肪を取り過ぎると太る」は遠い昔の神話です。太る原因は、ご飯、麺、パン、お菓子、果物などの糖質にあります。
 お米などの炭水化物は、肝臓でブドウ糖質になって血管に入ります。血液は血管の中を新幹線なみのスピードで走りながら、全身に、酸素、栄養を届け、全身からゴミを回収します。
 血管内に入った大量のブドウ糖は、一、二時間、嵐のように吹き荒れます。そのとき、タンパク質が壊れ(糖化)、活性酸素が大量につくられ(酸化)、血管に炎症が起こりやすくなります(動脈硬化などの原因)。このブドウ糖の嵐によって、糖尿病、脳梗塞・心筋梗塞、認知症などさまざまな疾患を呼び込みます。とくに糖尿病は、高齢になるほど罹患しやすく、70歳以上では約2割が罹患します。インスリンを投与しても腎症や失明などに至ることがあります。
 といっても、ご飯、麺、パンといった「主食」や、果物、お菓子は、それぞれの国や家庭の文化に深く根ざしていて、そう簡単に抜けません。
 そこで毎日、一食だけ「主食」を抜くという食事スタイルを、それぞれの家庭の新しい文化として取り入れてみてはいかがでしょうか。そのぶん肉、卵、魚、チーズなどを多めにとります。コレステロールの心配は無用です。コレステロールは、細胞の材料などになる重要な脂で、肝臓で8割ほどつくられます。厚労省は、健康指針から、コレステロールの摂取制限を撤廃しました。
 ふだんの食事も、ご飯、麺、パンは少なめにして、タンパク質、脂質を多めにとりたいものです。物足りなければ、糖質の少ない食品、たとえば寒天、こんにゃく、ちくわ、麩、豆腐などを動員し、それぞれの家庭で、リッチに使い方を工夫します。たとえば、油揚げをトースターで焼いてバターを塗ったり、チーズをのせてピザ風にします。
 糖質制限は、がん予防、アトピー、痛風、精神疾患などにも有効という報告があります。頭と身体の老化対策に、とりあえず軽めの糖質制限を試してみてはいかがでしょうか。