2017年01月26日(木)

第8回: 自己催眠で、副交感神経を刺激する

第8回

自己催眠で、副交感神経を刺激する

 前回は、趣味の健康禅について書きました。
 今回は、心臓、胃腸、血管など人の体の動きを支配している自律神経を調整し、心身を安定させる方法について書きます。自律訓練法といい、一九三〇年代にドイツの精神科医が開発したもので、現在、世界中で行われています。気分の変調やいらいらを抑えたり、血圧を下げる効果などがあります。自分で催眠状態をつくり、深いリラックスに入ります。全部で3~5分です。
①ベルトなどの衣服をゆるめて椅子に深く腰掛け、目をつぶります。深呼吸して気持ちを落ち着かせます。体を安定させ、手は太ももの上におきます。横になって行っても結構です。 ②両手に意識を向けて、「両腕が重い」と心の中で繰り返しながら、両手の重さを感じます。次に両足に意識を向けて「両足が重い」と繰り返し、両足の重さを感じます(右腕→左腕→右足、左足というように、片腕片足ずつ重さを感じても結構です)。焦らないで、心の流れにまかせます。
③次に、「両腕が温かい」「両足が温かい」と進みます。ここまででも十分深いリラックスできますので⑧に移って終わらせます。その場合も、3~5分行います。
④次に、「心臓が静かに打っている」と繰り返します。心臓が静かに打っているという実感がなくても大丈夫。心臓は静かに打っています。疑わないで次に進みましょう。
⑤「呼吸が楽だ」、⑥「お腹が温かい」、⑦「額が涼しい」と感じていきます。はじめは「そんな感覚は得られない」と思うのですが、だんだん得られるようになります。気負わないことが大切です。
 最後に、⑧手の平を開いたり閉じたり、背伸びをしたりして体を軽く動かし、脳に「自律訓練法が終ったよ」という合図を送ります。横になって行う場合はそのまま眠ってしまいます。
 就寝前に行えば、寝つきがよくなります。朝行えば目覚め感がすっきりします。慣れてくると、電車や喫茶店でもできます。一回4、5分、一日3、4回行うと効果大です。