2018年01月12日(金)

第27回: キスの効用(高揚)

第27回

キスの効用(高揚)

 英国最大の大衆紙「デイリーメール」に、キスの健康効果という記事が掲載されました。  内容は、①唾液が出ることによる健康効果(唾液には消毒、免疫力アップ、成長因子の分泌などが医学的に認められている)、②唾液交換により抗体ができ、免疫力がアップする、③「幸せホルモン」といわれるセロトニン、男性ホルモンのテストステロンなどの分泌が促される、④血圧低下、⑤顔筋を鍛えることによるアンチエージング効果( 30以上の顔筋を使うとか)などです。
 これらは、いわゆるフレンチキスの場合で、〝けがらわしいことに〞舌をからませたときですが、そうでなくてもキスには健康効果がありそうです。筆者はしばらく「フレンチキス」とは、両頬に軽くキスすることだと思い、フランス人女性に「フレンチキスしよう」と軽い乗りでいったことがあります。今思えば、片目を腫らして帰国してもおかしくないシチュエーションですが、「フレンチキス」という英語はフランス人には通じないようで助かりました。
 キスは、古代エジプトの文献、旧約聖書などにも出てくるもので、歴史とともにあります。新約聖書では、ユダがイエスを裏切るときや、若いマリアがイエスの足にキスする場面が有名です。
 欧米にいる日本人は、キスされることはあっても、キスするのは抵抗が大きく、ついタイミングを逃します。最近、日本人同士でも、若い世代があいさつのとき抱き合う光景をみかけますが、この場合も同性同士で、異性をハグすると誤解されそうです。
 キス文化圏の人びとは、人間同士の距離が近く、いつも自然に触れあっています。日本人は、夫婦でも日常的に相手に触れることは少ないようです。介護の世界では、タクティールケアといい、相手の体に触れることによって、相手の精神状態を安定させる効果があることがわかっています。チカンは犯罪ですが、他者と快く触れ合うことはコミュニケーションをうながし、精神衛生上も大切なようです。