2018年01月12日(金)

第28回: トイレ活用術


第28回

トイレ活用術

 肩こりを訴える人は、首がこっているそうです。英語でも、肩こりのことを「首こり」(スティッフ・ネック)と表現します。
 とくに首の後ろの筋肉が硬くなると、副交感神経を抑制して自律神経を乱し、頭痛、めまい、冷え、だるさ、抑うつといった心身症状を引き起こすという報告が複数あります。
 腰を無造作にかがめる動作が腰痛の原因になるように、長時間のうつむき姿勢は首の筋肉を硬化させ、さまざまな症状の原因になります。首は大玉スイカ(約6㎏)ほどの重さですが、ちょっと傾けるだけで数倍の重さが細い首の後ろ側の筋肉にかかります。
 そういわれると、人は一日の大半をうつむいています。仕事、趣味、読書はもちろん、料理、掃除といった家事のほか、食事中、さらになぜかトイレでもうつむいています。
 うつむき時間が長いと気持ちもふさぎがちになるという医師もいます。ですから、ふだん意識して上を向くようにしましょう(ドブ落ちは困るけど、犬のうんこを踏んだくらいでは命に別状はありません)。
 パソコン、スマホなどを見るときは、目は40㎝以上離し、うつむき角度をゼロに近づけます(背もたれに背をつけます)。目のためにもパソコン画面は40㎝以上離したほういいといわれます。
 長時間の座位姿勢も血行を阻害することがわかっています。筋肉は動かさないと萎縮してかたくなりますから、なるべく30分に一度は歩き、立っているときは腰を左右に揺らして血行を促します。
 そして、30分に一度以上、首を回したり、10秒くらいずつ左右に倒したり、左右を見たり、上を向くといった運動をします(ゆっくり大きく動かしてください)。
 といっても首の運動なんてすぐ忘れてしまいますからトイレを活用しましょう。トイレに入ったら、首をストレッチします。副交感神経のスイッチをいれ、整腸効果も期待できます。首の運動のほか、肩を左右にゆっくり大きく平行に揺らすことでぜん動運動が起きやすくもなるそうです。