雑記帳 2015年07月03日(金) 生身の歴史と向き合う
怒れるイエス  ぼくは、イエスは、いつも怒っていたのではないかと思うときがあります。あちこちで怒る。弟子の無理解を怒り、ファリサイ人や律法学者を怒る。イエスがエルサレムに入ると、神殿で怒りまくって、商人たちのテーブルをひっくり返す。  しかし、イエスは愛の実践家ですから、その怒りは憎しみからではなく、人間の奥底の悲しみから起こっている。今日の聖書箇所は、ユダヤ人が、ユダヤ人にとって都合...続きを読む

雑記帳 2015年05月29日(金) マタイ9章9〜13節 神様のたべもの
①軽蔑され、ひとりぼっちのマタイ 「収税人のマタイは、誰からも軽蔑され、嫌われ、ひとりぼっちでした。「友達がほしい。こんな仕事はいやだ」と毎日思いながら金勘定をしていました。収税所の外を通る人は、みんな口をゆがめて、つばを吐いて通ります。 なぜなら、収税人は、嫌われ者だったからですというのは、貧しいユダヤ人からも厳しくお金を取り上げ、それを裕福なローマ帝国の代官に渡す仕事で...続きを読む

雑記帳 2013年06月17日(月) 認知症介護は、愛の実践そのものではないか
ルカ22章26節「しかし、あなたがたはそれではいけない。あなたがたの中でいちばん偉い人は、いちばん若い者のようになり、上に立つ人は、仕える者のようになりなさい。」 愛も死も身近なもの ぼくは記者として、在宅医療を実践する何人かの医師に同行して、一年以上にわたって末期がんの方を大勢取材させてもらったことがあります。取材後に医師に連絡をとると、「あの方は、今朝亡くなられた」とか「一週間前に...続きを読む

雑記帳 2013年04月12日(金) 文学としての聖書入門・第二部
紙芝居 ペテロは、三度イエスを知らないという イエスは、最後の夕食を弟子たちととったあと、弟子たちとともに人里離れた静かなころに行き、こんなことをいいます。以下はマルコを底本にして、英文聖書を参考に書き起こしています。ちなみにペテロとペトロは同じです。英語ではピーターを発音します。 ①マルコ14章27~31節 イエス「あなたがたはみんな、私から逃げ去り、私を離れていくことになる。聖書...続きを読む

雑記帳 2013年04月10日(水) 文学としての聖書入門・第一部
復活祭とは 今年は、3月31日が復活祭(イースター)で、世界中のキリスト教の教会で、イエスの復活が祝われました。復活祭は、イエスが十字架の上で殺されて、三日目によみがえったことを記念するお祭りです。 欧米では復活祭の前後2週間は学校が休みになるし、企業も数日休みになるから、キリスト教徒でなくても盛り上がる時期です。復活祭にちなむものを売る屋台も出てクリスマスと同じ騒ぎになるのですが、日...続きを読む

雑記帳 2012年09月03日(月) 人権とマナーの違い
介助者は忍者のように  カトリック女性のRさんは、車いすを使っているので、教会でも何かと特別扱いされる。先日は、教会での集合写真の際に、強く抵抗したのに中央の席に座らされたことが悲しかったという。
  ぼくは、10年以上前、重度の脳性麻痺で、車いすユーザーの女性を取材したときのことを思い出した。ぼくは医療福祉の記者だから、車いすユーザーは、めがねをかけた人くらい自然だった。  ところ...続きを読む

雑記帳 2012年08月31日(金) 案外知られていない性の話
数日前に、中年男二人で(一人が僕)、江ノ島の水族館にいった。中年男が二人で水族館に行くのは傍目にはかなり気味の悪い光景だったかもしれない。 重そうな黒かばんをもった二人の中年男が水族館で、まぐろの周遊をじっと見つめていたら、爆弾を仕掛けようとするテロリストじゃないだろうか、と考えるのが一般的なんじゃないか。ぼくだったらそう考える。 が、彼とは、墓地巡り、美術館巡り、博物館巡りをしているので、僕...続きを読む

雑記帳 2012年08月31日(金) 校正は嫌いだ、とぼやく編集者の話
ぼくは、文章を書き終わって、文章を読み直すと、無限に書き直したくなるという悪癖がある。悪癖というより、「こんな下手な文章をだれが書いたんだ?親の顔をみたい」という正当な評価なのだ(親のせいとばかりはいえないところがある)。 まして、自分の文章がゲラになって出てくると、「なんという紙のムダ、ええい、ちり紙にしてくれるわ」という気持ちを抑えながら、校正している。だから自分の文章を校正している...続きを読む

雑記帳 2012年06月29日(金) 十二指腸潰瘍と胃潰瘍
 十二指腸潰瘍の女 先日、知り合いの女性と昼食を摂っていたら、胃潰瘍と十二指腸潰瘍の違いの話になった。彼女は十二指腸潰瘍を病んだことがあり、そのとき医師にいわれた言葉が深く心に突き刺さっているのだそうです。  彼女の主治医にいわせると、十二指腸潰瘍というのは、かなりズボラでいい加減な性格の人間がかかる病気だそうです。その点、胃潰瘍というのは、きまじめで、几帳面で、神経質、責任感の強いタイプ...続きを読む

雑記帳 2011年12月09日(金) サンドウィッチ伯爵はなぜ有名か
サンドウィッチ伯爵は何だって有名なんだ? サンドイッチはよく知られているように、18世紀にトランプ好きで知られるイギリスのサンドイッチ伯爵によって「発明」されたといわれる料理である。ウィキペディアによると、当時は、キュウリをはさんだだけだったという。 サンドイッチ伯は由緒ある家柄で、代々軍人として活躍し、サンドウィッチを発明したといわれる当代のモンタギューは、海軍大臣を歴任している...続きを読む

雑記帳 2011年12月09日(金) 楽しい会話こそメインディッシュ
  ドイツ人の質素な楽しみ 先日、チェコ人と話していて思い出したのですが、ドイツでもチェコでも、金曜日は午後2時になると仕事は終わり。州によって違うと思うけれど、多くの州で、2時になると会社にはパッと人がいなくなる。 じゃ、みんな、どこに行くのか。 暖かい季節なら、恋人同士、夫婦、友人同士が集まって、どのカフェテラスもいっぱいになる。金曜日の午後というのは、...続きを読む

雑記帳 2011年12月09日(金) 温泉カッパになった思い出
むかし学生のとき、2月に友達と長野市内の温泉に行ったとき、宿のパンフレットをみて、夜中に露天風呂に入ったことがあります。今のような露天風呂ブームの前で、露天風呂がもの珍しかったときです。 パンフレットには載っているけど外は真っ暗で、ちょっとへんだなと思ったのですが、寒いので、宿から漏れるかすかな明かりをたよりにばたばたと走って、暖かそうな湯気が出ている岩風呂に、どぼん。 どうも露天は露天...続きを読む

雑記帳 2011年11月28日(月) 1990年プラハの旅
●ぼったくられのプラハの旅   20年前にプラハに行ったときのことを思い出した。前年に社会主義政権が崩れて、街は平和だけど、ちょっと無政府状態のような、政治が機能していないときだった。 

 ホテルも店も国営なんだか私営なんだかわからない状態で、今でも結構そうらしいけど、よくソデノシタを払わせられた。僕はガイドブックは行った先で買うものだと思っていたから、プラハについてから国営出版社の立...続きを読む

雑記帳 2011年01月28日(金) ドイツでなぜカツ丼がはやらないか
ドイツ人は日本食を好み、たいていのものは気に入ります。寿司もちょっと時間はかかるが、食べ慣れると好物になる人が多いようです。 ドイツ人といっしょにカツドンを食べていてちょっと感動したことがあります。何に感動したかというと、日本食というのは、それなりに食べる技術が必要なのだ、ということに気づいたからです。 丼物はすべてそうだが、どんぶりにご飯をもり、そのうえに上部構造物を乗せ、さらに...続きを読む