独居看取りの時代 - 在宅医が考える心豊かな「独り死」

 

執筆
苛原 実
医療法人社団 実幸会いらはら診療所理事長
在宅ケアを支える診療所 市民全国ネットワーク会長

独居では看取りはできないと思われがちです。
しかし、独居でも、在宅看取りは可能です。
「ひとり暮らしだけど、家で伸び伸びと死にたい」そのためには、ちょっとした工夫と、周囲の努力が必要です。
病院のベッドは、患者にとってつらいところです。
まして最後のときを病院のベッドで過ごしたくない、多くの人はそう念じています。
とはいっても、今後、独居高齢者は増え続け、在宅での看取りは難しくなるいっぽうです。
本書では、高齢者自身の心の準備と、ケアマネ、医師など関係者の努力と、地域づくり担当者の協力で、独居看取りの時代を切り開く方法を考えます。

●A5 判 ソフトカバー 200 ページ モノクロ
定価 1200 円+税

 

CONTENTS

はじめに
死は異様なほどのタブー
ぶれないこと
「気持ち良く枯れる」地域づくり

第一章 「医者まかせ」では健康になれない

医者に行っても健康になれない
目的を持つほうが長生きする
治療法は自分で選ぶ時代
いのちより大切なものを探す
薬で病気になる
「孤立死」はなぜ問題か
看取りは心の交わり

第二章 救急車を呼ぶとき

救急車をタクシー代わりに使うな
レストランで食器代を請求されたら?
救急車をいつ呼ぶか
救急車を呼ぶとき
亡くなってもすぐに救急車を呼ばない

第三章 地域包括センターを活用しよう

「よっこらしょ」ではじまるシステム
人は死ぬまで誰かのために生きたい
「ケアマネごときが何をいう」
泥臭く一対一で話し合う
ケアマネは連携の要
危機一髪で助かる
医療機関連携は進んでいる
医療モデルと生活モデル
医療と介護の連携はこれから
「患者さん」と「利用者」の間
利用すればするほど強くなるつながり

第四章  在宅看取りを選ぶために知っておくこと

在宅医療の主役は看護師
リハビリの観点から在宅医療をみる
頼りになるケアマネを探す
尊厳死とは
最後の点滴は有害
最期の晩餐はカツ丼で
デイサービス、デイケアの活用
高齢者入居施設が増えすぎている

第五章 死のときこそあるQOL

有床診療所とは何か
在宅医療のゴール
介護より敬意
病院は、人間より病気をみる
85歳過ぎたいのちは「めっけもの」
一人暮らしの人の最期
 コラム 独居看取りのコストの例
訪問診療医もいやなら替える
自分の「人生観」を優先する
訪問診療医は早めに決める
看取り医師の探し方
コミュニケーション力は診立て力
堂々と「独り死」しよう

第六章 家族が看取るとき

意思決定マニュアル
胃ろうの造設を検討する
認知症の人の胃ろう造設
信頼関係なくして看取りなし
家族って何?
いっしょに暮らすなら「赤の他人」になる
人は美しく枯れていく

第七章 在宅医療で必要な基礎知識

減薬も治療のうち
薬には微妙なさじ加減が必要
減薬できる薬、できない薬
チューブ類も減らす
虚弱高齢者の注意点
フレイル(虚弱)高齢者におすすめの運動
フレイル体操 運動は気持ちよく行う
起床、就寝のとき(寝たままで)
たとえば歯磨き中
たとえばテレビをみながら
ちょっと上級編
たとえば料理などをしながら(立位)

第八章 認知症と看取り

夫婦で認知症の人の暮らし
脳梗塞で半身麻痺に
夜、静かに亡くなる
認知症の多くは廃用性
認知症は、早期発見早期対応で
認知症は生活全般から判断する
認知症の人こそ役割を求めている
認知症で盲目の方の独居
われわれの結束こそ利用者の心身を支える
認知症の人への早期対応マニュアル
おわりに

 

独居看取りの時代 在宅医が考える心豊かな「独り死」
税込 1,320円
(本体:1,200円 + 消費税 10%)
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